【医師監修】バストトップのかゆみが起こる原因は?対策方法も紹介
バストトップは皮膚が薄く敏感な部位で、ちょっとした刺激によってかゆみを感じることがあります。
かゆみに耐え切れずかきむしってしまうと症状が悪化する場合があるので、少しでもかゆみを感じたら早めに対処することが大切です。
この記事では、バストトップにかゆみが起こる原因や対策方法を紹介します。
目次
バストトップがかゆい!何が原因?
まずは、バストトップにかゆみが出る原因を具体的に紹介します。
ホルモンバランスの乱れ
バストトップは、ホルモンバランスの乱れによってかゆくなることがあります。
例えば、女性ホルモンには「エストロゲン(卵胞ホルモン)」と 「プロゲステロン(黄体ホルモン)」の2種類があり、生理前などはプロゲステロンのみの分泌が増えるため、バランスが乱れやすくなります。
そういったときに、一時的にかゆみを感じる場合があるようです。
生理不順の方や更年期の方も、ホルモンバランスが乱れている可能性があるので、バストトップにかゆみが出やすいと言われています。
また、バストトップにはモントゴメリー腺という皮脂腺があり、皮脂を分泌することで乳頭や乳輪を保護しています。
ホルモンバランスの乱れにより皮脂分泌量のバランスが崩れると、皮脂が毛穴に詰まりやすくなり、ブツブツができてかゆみを伴うことがあります。
一般的に、生理前のホルモンバランスの乱れによって生じるバストトップのかゆみは、生理が始まると落ち着くケースが多いです。
生理が始まってもかゆみが引かない場合は、ストレスや食生活の乱れなどによってホルモンバランスが崩れているかもしれません。
肌の乾燥によるかゆみ
バストトップのかゆみは、乾燥によっても起こります。
紫外線や間違ったスキンケア、空気の乾燥などにより、本来必要な皮脂や水分が失われて肌が乾燥状態になると、皮膚のバリア機能が低下します。
バリア機能が低下するとますます皮膚が乾燥してしまったり、外部からの刺激を受けやすくなったりするため、かゆみを引き起こすほか、乳頭の皮がめくれてしまうこともあります。
炎症を起こしている
バストトップがかゆいのは、すでに炎症が起きてしまっている可能性があります。
例えば、下着の擦れやムレなどによりバストトップの皮膚が傷付いて炎症が起こると、ヒスタミンという物質が放出され、ヒスタミンが神経を刺激することでかゆみが発生します。
耐え切れずにかきむしってしまうと、さらにヒスタミンを放出させてしまい、かゆみの悪化につながるでしょう。
バストトップのかゆみは病院で治療すべき?
バストトップにかゆみがある場合、病院に行くべきか悩む方もいるでしょう。
例えば、生理前になると一時的にバストトップがかゆくなるという場合は、セルフケアや市販薬で対処できることが多いです。
しかし、バストトップに傷がある、腫れや出血、淡黄色の汁が出るといった症状がある、生理周期に関係なく強いかゆみが続くという場合には、病院を受診することをおすすめします。
ここからは、バストトップの強いかゆみに加えてほかの症状がある場合、どのような病気の可能性があるのかを説明します。
接触性皮膚炎
バストトップにかゆみがあり、湿疹を伴う場合は、下着などが擦れることによって起こる接触性皮膚炎の可能性があります。
接触性皮膚炎とは一般的に「かぶれ」と呼ばれ、かゆみやヒリヒリとした痛み、ブツブツとした湿疹などの症状が現れる病気です。
皮膚科などを受診すると、ステロイド外用薬が処方されることが多く、かゆみがひどい場合には、抗ヒスタミン剤などの飲み薬が処方されることもあります。
アトピー性皮膚炎
バストトップのかゆみや湿疹に加え、乳頭がジクジクして淡黄色の汁が出るといった症状がある場合は、アトピー性皮膚炎の可能性もあります。
アトピー性皮膚炎とは、皮膚のバリア機能低下により、かゆみを伴う湿疹が良くなったり悪くなったりを繰り返す病気のことです。
接触性皮膚炎と同様、ステロイド外用薬や保湿剤が処方されるのが一般的です。
乳房パジェット病
バストトップに、周囲の皮膚との境目がはっきりとした湿疹が現れ、かゆみがある場合は、乳房パジェット病かもしれません。
乳房パジェット病とは中高年女性に発症が多い乳がんの一種で、一般的な乳がんのようなしこりは形成されず、皮膚の病変が主な症状です。
悪化すると乳頭が変形したり、湿疹部分が赤くただれるといった症状も現れます。
基本的な治療方法としては乳房切除術がありますが、病変が乳頭や乳輪付近にとどまっている場合は、乳頭と乳輪を含む部分切除を行い、放射線治療を合わせた乳房温存療法を行うケースもあります。
初期症状では皮膚疾患と間違われる場合も多いので、市販薬を塗ったり、皮膚疾患の治療を一定期間行ったりしても症状が良くならない場合は、早めに病院を受診しましょう。
バストトップのかゆみ対策におすすめの方法
ここからは、バストトップのかゆみ対策におすすめの方法を紹介します。
通気性の良い下着を着ける
暑い季節は特に、汗をかいたりムレやすくなったりするので、湿気や熱がこもらないよう通気性の良い下着を身に着けることが大切です。
また、下着のサイズが大きかったり小さかったりすると、摩擦や圧迫がバストトップへの刺激となり、かゆみを悪化させてしまうことがあります。
サイズの合った下着を選ぶのはもちろん、絹(シルク)や綿(コットン)などの天然素材が使われた肌触りの良い下着を選ぶなど、刺激を抑える工夫も必要です。
敏感肌用のクリームで保湿ケア
バストトップの乾燥は、保湿クリームでケアしましょう。
ただし、バストトップは皮膚が薄く敏感な部位なので、一般的なクリームよりもデリケートゾーンにも使えるような敏感肌用のクリームを選ぶのがおすすめです。
刺激を与えないように優しくなでるように塗り込みましょう。
生活習慣を整える
第一章で紹介したように、バストトップのかゆみはホルモンバランスの乱れが原因の場合もあるので、生活習慣を整えることはとても大切です。
質の良い睡眠、バランスの良い食生活を心がけるほか、適度な運動を取り入れてリフレッシュするなど、ストレスをためないようにしましょう。
かゆくてもかかない
バストトップにかゆみを感じても、かきむしるのはNGです。
かゆみが我慢できないときは、一時的に患部を冷やして炎症を抑えつつ、病院を受診して治療を受けましょう。
バストトップのかゆみは保湿ケアで防ごう
バストトップのかゆみは、ホルモンバランスの乱れや乾燥、炎症などが原因で起こります。
我慢できないほどのかゆみがあり、ただれや出血、湿疹、淡黄色の汁が出ているなどの症状があるときは、皮膚疾患以外の病気の可能性があるので、早めに医師の診断を受けることをおすすめしますが、普段から対策を行うことでかゆみを未然に防ぐこともできます。
通気性の良い下着を身に着けたり、低刺激で肌に優しいクリームなどで保湿したりして、バストトップにかゆみのない快適な毎日を過ごしましょう。
監修者 Alohaさおり自由が丘クリニック <経歴> <資格> <所属学会> |
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