【医師監修】腕にシミができる原因や種類、おすすめのケア方法を紹介
2022/09/22
年齢を重ねるにつれて、腕のシミが目に付くようになったという方も多いのではないでしょうか。
一度できるとなかなか消えないという点でも、腕のシミは悩みの種になりやすいかもしれません。
この記事では、腕にシミができる原因や種類、おすすめのケア方法を紹介します。
目次
腕にシミができる原因は色素沈着!
腕にシミができる原因は、肌や髪の毛の色を構成する黒の色素であるメラニンの色素沈着です。
メラニンは、色素細胞であるメラノサイトで作られるもので、紫外線をはじめとする外的刺激から肌を守る働きをしています。
健康な肌の場合、生成されたメラニンは細胞の新陳代謝であるターンオーバーによって剥がれ落ち、アカとなって体外に排出されます。
しかし、強い外的刺激によって肌がダメージを受けると、肌を守ろうとして過剰にメラニンを生成するため、ターンオーバーで排出し切れなかった色素が肌に残り、色素沈着を起こすのです。
紫外線を長時間浴びたとき、肌が日焼けをして黒くなるのも、メラニンの色素沈着によるものです。
また、シミは、紫外線などの強い外的刺激を受けたときだけではなく、メラニンを排出するターンオーバーのサイクルが乱れたときにもできます。
ターンオーバーのサイクルが乱れるとメラニンの生成と排出のバランスが崩れるため、局所的に残ったメラニンが肌に沈着し、シミになるのです。
腕にできるシミには種類がある
シミの原因はメラニンの色素沈着が関係していますが、腕にできるシミの種類は大きく分けて3つに分類されます。
腕にシミができるのを防ぐためにも、どのようなシミができるのかを知ることから始めてみましょう。
ここからは、腕にできるシミの種類と特徴、見分け方について説明します。
老人性色素斑
腕にできるシミとして代表的なものが「老人性色素斑(ろうじんせいしきそはん)」です。
薄茶色の小さな円形または楕円形で、顔や腕などの肌の露出が多い部分にできやすい傾向があります。
さらに、年齢を重ねるにつれて徐々に大きく、色が濃く、境界がくっきりして見えるようになるのが特徴です。
原因としては、加齢に伴うターンオーバーの遅れと、これまでに浴びてきた紫外線の積み重ねが挙げられます。
また、老人性色素斑は、日光性黒子(にっこうせいこくし)とも呼ばれ、ターンオーバーのサイクルが遅れがちな30代以降から現れることが多いですが、日焼けをすることが多い20代にも見られることがあります。
雀卵斑(そばかす)
腕や顔に多く現れる小さな斑点は、「雀卵斑(そばかす)」です。
雀卵斑は、遺伝的な要因によって発症すると言われるシミで、メラニンを生成する色素細胞であるメラノサイトが活性化することで起こります。
数mm程度の小さな淡褐色のシミが5~6歳の幼児期からでき始めることが多く、成長とともに増えて、思春期には特に目立つようになります。
色白の方にできやすいシミで、20代を過ぎると徐々に色は薄く、目立たなくなります。
また、雀卵斑は紫外線の影響で春から夏になると色が濃く目立ち、秋から冬に薄くなるのも特徴です。
光線性花弁状色素斑
光線性花弁状色素斑(こうせんせいかべんじょうしきそはん)とは、強い紫外線を浴びて日焼けした肌の、特に両肩、両腕の上部、背中にできやすいシミのことを言います。
花びらや金平糖、カラスの足のような形状をした大小さまざまなシミが多数できるのが特徴で、日焼け後しばらくして現れることが多いです。
紫外線によって肌がダメージを受け、メラニンが過剰生成されることが原因だと考えられています。
炎症後色素沈着
傷や虫刺され、やけど、かぶれ、アトピーなどの皮膚の炎症が起きた後に、シミができることを「炎症性色素沈着」と言います。
炎症による赤みが引いた後に茶色くなってできるため、ほかのシミと見分けやすく、時間が経てば自然と消えていくのも炎症後色素沈着の特徴です。
ただし、炎症後色素沈着が腕にできた状態で紫外線を多く浴びてしまうと、そのままシミが残ってしまうことがあります。
また、もともとの炎症が強い場合は、シミが消えるまでに数ヶ月以上かかったり、色が消えずに残ってしまうこともあるため、皮膚科で治療を行ったほうが良いケースもあります。
腕にできたシミを消す方法はある?
ここからは、腕にできたシミを消す方法として、皮膚科・美容皮膚科などで受けられる治療方法を紹介します。
シミ取りレーザー
腕にできたシミを消す代表的な治療方法には、シミ取りレーザーが挙げられます。
シミ取りレーザーとは、黒や茶色の濃い色素に反応する特殊なレーザーを用いて、メラニンを破壊する方法です。
小さなシミにもピンポイントでアプローチできるため、周辺の正常な肌にダメージを与えにくくなっています。
腕のシミにレーザーを照射すると、破壊されたメラニンが排出され、かさぶたになって1~2週間ほどで剥がれます。
かさぶたが剥がれたところに炎症性色素沈着が起こることがありますが、3~6ヶ月ほどで自然と消えていくのが一般的です。
シミ取りレーザーの治療を受けた後の肌はデリケートな状態となります。紫外線対策を徹底するほか、いつも以上に丁寧な保湿を心がけましょう。
ケミカルピーリング
腕にできたシミを改善する治療法としては、ケミカルピーリングもあります。
ケミカルピーリングとは、肌にサリチル酸マクロゴールなどの化学薬品を塗ることで、蓄積された古い角質やメラニンを取り除き、肌の細胞の新陳代謝であるターンオーバーを整えるという治療法です。
薬剤が角質層から表皮まで浸透して肌のターンオーバーを整え、新しい皮膚の再生を活性化します。
また、シミ取りレーザーと併用することで、シミやそばかすの改善はもちろん、くすみや黒ずみ、毛穴開き、ニキビ、シワなどさまざまな肌トラブルに対して有効です。
関連記事:ピーリングとはどんなケア?意味や効果、やり方を解説
塗り薬・内服薬
シミ取りレーザーやケミカルピーリングなどの治療だけでなく、塗り薬・内服薬を処方してもらえる場合もあります。
シミに有効的な塗り薬はトレチノインとハイドロキノンで、併用療法が推奨されています。
トレチノインは、ビタミンAの誘導体で、ビタミンAの50~100倍の成分を有しており、ターンオーバーの活性化、皮脂分泌の抑制、角質剥離の促進といった効果があります。
一方ハイドロキノンは、メラニンを作らせなくする漂白剤と言われており、美白効果が期待できます。
トレチノインでメラニンを外に押し出し、ハイドロキノンで新しいメラニンを作るという仕組みで、シミを薄くしたり、消失させたりします。
ただし、肌の深い部分にあるシミに対しては、塗り薬だけでは効果が乏しいこともあり、そういったシミを消したい場合にはレーザー治療が適切です。
内服薬には、トラネキサム酸などがあります。
トラネキサム酸とは、人工的に生成されたアミノ酸の一種で、シミのもとであるメラニンや炎症を抑える効果があります。
腕のシミは美白有効成分配合クリームで防ぐ
腕にできてしまったシミを適切に治療した後は、紫外線対策や保湿を徹底し、再発を防ぐことが大切です。
外出時には日焼け止めをしっかりと塗るほか、UVカット機能のある日傘やカーディガンなどで肌の露出を減らすなどの工夫をして、紫外線による肌ダメージを最小限に抑えましょう。
また、シミができやすい腕のスキンケアには、メラニンの生成を抑え、シミ・そばかすを防ぐ美白※有効成分が配合されているクリームを活用すると良いでしょう。
例えば、シミに対してピンポイントに塗り込むものや、毎日のスキンケアとして体全体に使えるものなど、さまざまな種類の美白※クリームが市販されています。
「医薬部外品」という表示があるクリームは、一定の濃度で配合された有効成分の効果・効能が認められているため、選ぶときの基準になるでしょう。
※メラニンの生成を抑え、シミ・そばかすを防ぐ
関連記事:腕の美白ケアにはどんな方法がある?おすすめのクリームや美容液を紹介
腕のシミを防ぐためにも毎日のケアが大事!
今回は、腕のシミについて、できる原因や種類、治療法や対策方法を紹介しました。
皮膚科・美容皮膚科では、シミを消すための治療が受けられますが、一度治療すれば永遠にシミができないというわけではありません。
きれいな腕を目指すためにも腕にシミができる仕組みを理解して、毎日のケアをしっかりと行って対策していきましょう。
監修者 クリスタル医科歯科クリニックインターナショナル <経歴> <資格・所属学会> |
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