【医師監修】首・デコルテがかゆいのは病気?原因と対処法
首やデコルテにかゆみがあり、「何かの病気なのではないか?」と悩んでいる方もいるのではないでしょうか。
かゆみはさまざま原因によって起こるため、症状によって適切に対処することが大切です。
この記事では、首やデコルテにかゆみが生じる主な原因、対処法について解説します。
目次
首・デコルテがかゆい!考えられる原因は?
まずは、首やデコルテのかゆみの原因として、考えられるものをいくつか挙げていきます。
それぞれ症状が異なるため、当てはまるものがないか確認してみてください。
皮脂欠乏性湿疹(乾燥肌)
皮脂欠乏性湿疹とは、いわゆる乾燥肌のことです。
肌に必要な皮脂や水分が不足すると、肌の表面がカサカサと乾燥し、かゆみを感じやすくなります。
かゆいからといってかきむしってしまうと炎症を起こし、悪化してしまうので注意しましょう。
皮脂欠乏性湿疹の症状は、肌の表面にカサつきやザラつきがあること、細かいフケが出ることなどがあり、さらに症状が進むと、肌の表面に亀裂が生じて皮むけしてしまうこともあります。
皮脂欠乏性湿疹は、気温が低くなる10月〜3月ごろに多く見られる症状です。
首やデコルテに皮脂欠乏性湿疹が発生するのを防ぐには、毎日の保湿ケアで潤いを与えて、肌を整えることが大切です。
接触性皮膚炎
接触性皮膚炎とは、一般的に「かぶれ」と呼ばれる炎症のことです。
肌に何らかのものが接触することで刺激となってかゆみや湿疹などの症状が現れ、ひどくなると腫れや水疱ができることもあります。
接触性皮膚炎は、肌に触れるすべてのものが原因となって起こります。
特に首やデコルテの場合は、衣服やネックレス、化粧品、香水、髪の毛などの接触が、原因として考えられるでしょう。
慢性単純性苔癬
慢性単純性苔癬(まんせいたんじゅんせいたいせん)とは、肌の表面に慢性的に炎症が起こり、かゆみが長期間続く疾患のことです。
慢性単純性苔癬は、何らかのきっかけで肌にかゆみが生じたときに、かゆみに耐えられずにかきむしってしまうことが原因で起こります。
肌をかいてしまうと、刺激となって悪化し、さらにかゆみがひどくなるという悪循環に陥ってしまうのです。
首やデコルテにかゆみがあるときは、炎症を抑える成分が配合されたクリームを塗ったりして対処することが大切です。
また、慢性単純性苔癬は、精神的な要因も関係していると考えられているため、適度な運動や気分転換を取り入れるなど、ストレスをためないように意識しましょう。
虫刺され
首やデコルテのかゆみは、蚊やノミ、ダニなどによる虫刺されが原因という可能性もあります。
これらは、虫が持っている毒素成分や唾液腺物質が体に入りアレルギー反応を起こし、ヒスタミンと呼ばれるかゆみ物質が分泌されることで生じるものです。
首やデコルテは露出が多く、虫に刺されやすい部位でもあるので、虫除けスプレーなどを活用して、しっかりと対策を行いましょう。
光線過敏症
光線過敏症は、日光アレルギーとも呼ばれ、日光にさらされた部分の皮膚にかゆみを伴う発疹や赤みなどが発生するものです。
光線過敏症の原因は、遺伝や代謝異常、アレルギーなど多岐にわたるため、一概には言い切れません。
日焼け止めを塗ったり、UVカット機能のある衣服を着用したりして、首やデコルテに直接日光が当たらないように工夫をしましょう。
首・デコルテがかゆいときの対処法
首やデコルテにかゆみを感じたときは、どのように対処すれば良いのでしょうか。
続いては、自宅でもできる方法を中心に、かゆみへの対処法を具体的に紹介します。
かゆくてもかかない
首やデコルテがかゆいからといってかいてしまうと、症状が悪化し、さらにかゆみが増してしまいます。
かゆみがひどいときは、ハンカチで包んだ保冷剤や水で濡らしたタオルを使って炎症が起きている部分を一時的に冷やすなどの対処をしながら、市販薬を使うか、早めに皮膚科を受診しましょう。
また、入浴時に肌に摩擦が起こらないよう優しくなでるように洗うのもポイントです。
強いかゆみは皮膚科を受診
接触性皮膚炎や虫刺されなどかゆみの原因が分かる場合は、市販薬で対処できるケースもあります。
かゆみを抑える抗ヒスタミン成分や、炎症を抑えるステロイド成分が配合された市販薬を使用すると良いでしょう。
ただし、原因不明の強いかゆみが続く場合には、皮膚科の受診をおすすめします。
症状によって処方される薬は異なりますが、例えば、皮脂欠乏性湿疹の場合はステロイド外用薬や軟膏・クリームなどの保湿剤、慢性単純性苔癬の場合はステロイド外用薬やステロイドテープ剤のほかに、抗ヒスタミン剤・抗アレルギー剤などの飲み薬が処方されます。
弱いかゆみはスキンケアを見直す
首やデコルテのかゆみが弱い場合は、スキンケアを見直すことで、症状を抑えられることもあります。
大切なのは患部を清潔に保つことと、保湿ケアをしっかりと行うことです。
また、ボディソープや保湿クリームを選ぶときは、合成香料やエタノール、パラベンなどの成分が含まれた刺激の強いものは、かえってかゆみを悪化させる可能性もあるため、避けたほうが良いでしょう。
ケア用品は低刺激で肌に優しいものを選び、入浴時もゴシゴシ洗うのではなくたっぷりの泡で優しく洗うのがポイントです。
関連記事:デコルテのスキンケア、何から始める?おすすめのアイテムを紹介
関連記事:デコルテ用美容液のおすすめを紹介!ケアの順番や使い方も覚えておこう
慢性的なかゆみは生活習慣を見直す
かゆみが慢性化してしまっている場合には、生活習慣を見直すことも重要なポイントになってきます。
ダイエットで食事制限をしていたり、忙しくて睡眠時間が短く運動する時間がなかったりという方もいるのではないでしょうか。
体が疲れていたり、ストレスがたまっていたりという状態が続くと、免疫力が低下してしまい肌のバリア機能の低下にもつながります。
しっかりとバランスのとれた食事・質の良い睡眠・適度な運動を行うことを意識し、リフレッシュすることが大切です。
また、汗をこまめに拭き取って首やデコルテを清潔に保ち、衣服や下着は綿やリネンなどの天然素材で肌触りの良いものを選び、できるだけ刺激を抑えるようにしましょう。
そして、大切なのがシャワーや湯船のお湯の温度です。
首やデコルテにかゆみがある場合、お湯の温度が高いと肌への刺激となり、かゆみが強くなるため、35〜40℃程度のぬるま湯にゆったりとつかってリラックスすることで、かゆみの緩和が期待できます。
首・デコルテのかゆみは原因・症状によって適切に対処しよう
首やデコルテのかゆみには、さまざまな原因があります。
かゆみが強い場合や湿疹を伴う場合には、病気が隠れていることもあるので、病院を受診して適切な治療を受けることが大切です。
一方で、かゆみが軽度の場合や一時的な場合は、市販薬を使用したり、スキンケアを見直したりすることで、症状が落ち着くケースもあります。
肌に優しいケアアイテムを使って、丁寧にお手入れしてみてはいかがでしょうか。
監修者 Alohaさおり自由が丘クリニック <経歴> <資格> <所属学会> |
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