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【医師監修】首・デコルテにニキビができる原因や治し方を解説

      2022/10/24

【医師監修】首・デコルテにニキビができる原因や治し方を解説

ニキビと言うと顔にできるイメージがあるかもしれませんが、首やデコルテにも気付かないうちにニキビができてしまうことがあります。

首やデコルテは、特に夏になると意外と目につきやすい部位なので、ニキビができる原因を知って、対策や適切な対処をすることが大切です。

この記事では、首・デコルテにニキビができる原因や、ニキビの治し方について詳しく解説します。

首・デコルテにニキビができる5つの原因

首・デコルテにニキビができる5つの原因

ニキビができる主な理由は、部位を問わず、健康な皮膚にもともと存在する菌の一種「アクネ菌」の増殖だと言われています。

アクネ菌は皮脂を栄養源としているので、毛穴の詰まりや皮脂の過剰分泌がアクネ菌の繁殖を促し、増殖したアクネ菌が炎症を起こすことでニキビとなるのです。

まずは、ニキビのもととなるアクネ菌が、首・デコルテで増殖してしまう原因をいくつか挙げて解説します。

衣服による擦れ・肌に合わない素材

衣服の襟や肌に合わない素材が首やデコルテの皮膚に触れると、それが刺激となって肌にダメージを与えることがあります。

また、衣服はもちろん、首やデコルテに直接触れることが多いアクセサリーや髪の毛先も、肌に刺激を与える原因の一つです。

肌に刺激を与えると、肌を守ろうとして角質層が厚くなるので毛穴が詰まりやすくなり、ニキビにつながってしまいます。

シャンプーやボディソープの洗い残し

シャンプーやボディソープの洗い残しがあると毛穴詰まりの原因となり、ニキビができやすくなります。

特に、鎖骨のくぼみの部分や髪の毛で隠れている部分は、汚れや泡が残りやすいので注意しましょう。

シャンプーやボディソープは泡切れの良いタイプを選び、入浴時には鏡を見ながら丁寧に洗い流すのがポイントです。

ボディクリームが合っていない

首・デコルテに潤いを与えるための保湿は大切ですが、肌に合わないボディクリームを使い続けていると、かえって肌荒れの原因となってしまいます。

また、首・デコルテは皮脂の分泌量が多い部位と言われており、手足などに使うボディクリームでは油分が過剰になることがあります。

油分を与えすぎてしまうと皮脂が増えるため、ニキビができやすくなるのです。

ホルモンバランスの乱れ

女性ホルモンには、「エストロゲン(卵胞ホルモン)」と 「プロゲステロン(黄体ホルモン)」の2種類があります。

エストロゲンには主に美肌作用があり、分泌量が増えるほど肌の調子が良くなると言われています。

一方、プロゲステロンは男性ホルモンに似ており、皮脂分泌を促す作用があると言われています。

特に、生理前や妊娠するとプロゲステロンが多く分泌される傾向にあり、皮脂分泌が増え、毛穴が詰まるとニキビができやすい状態となるのです。

さらに、エストロゲンとプロゲステロンの分泌は、妊娠週数を重ねるごとに徐々に増え、分娩時にピークを迎えると、その後は急激に減少していきます。

このような急激なホルモンバランスの変化も、ニキビだけでなく何かしらの肌トラブルを引き起こす原因となっています。

また、加齢やストレスなども、ホルモンバランスが乱れる原因に含まれます。

ターンオーバーの乱れ

肌が生まれ変わる仕組みであるターンオーバーが乱れると、本来剥がれ落ちるべき肌の古い細胞が角質層に残ってしまい、ニキビが発生しやすくなります。

また、ニキビ跡が残りやすくなるともされています。

肌の乾燥や血行不良、不規則な生活などはターンオーバーの乱れを引き起こす原因となるため注意が必要です。

首・デコルテにできたニキビの治し方

首・デコルテにできたニキビの治し方

首やデコルテにニキビができてしまった場合、まずは悪化を防ぐことが大切です。

また、ニキビの状態によっては皮膚科を受診したほうが良いケースもあります。

ここからは、首・デコルテにできたニキビの治し方として、具体的なケア方法や注意点を紹介します。

まずは患部を清潔に保つ

ニキビができてしまった首・デコルテは、アクネ菌が過剰に増殖している状態にあります。

早く治すためにも、患部を清潔に保つことを意識しましょう。

汗をかいたらこまめに拭いたり、殺菌作用や肌荒れ・ニキビを防ぐ効果がある有効成分が含まれているソープを使って丁寧に洗うことが大切です。

保湿を徹底する

保湿ができていないと肌は乾燥してしまい、肌が乾燥するとターンオーバーが乱れる可能性が高くなります。

また、肌の表面に存在する皮脂は、肌の乾燥を感じるとそれを防ごうとしてさらに皮脂を分泌させる働きがあるので、ニキビができやすい状態を引き起こしてしまいます。

皮脂量が多いからといって何もしなくて良いというわけではないので、特に乾燥しやすい入浴後や冬場は入念に保湿しましょう。

角質ケアを取り入れる

首やデコルテにザラつきやゴワつきを感じる場合は、角質が厚く蓄積された「角質肥厚」の状態になっている可能性があります。

角質肥厚になると、角質層に水分が浸透しにくくなるため、さらに乾燥してターンオーバーが乱れる原因となります。

首・デコルテの角質肥厚を解消するには、ボディスクラブを使った角質ケアで古い角質を除去してあげるのがおすすめです。

定期的な角質ケアによって角質肥厚を防ぐことで、ターンオーバーが正常に働きやすくなり、ニキビの治りも早くなります。

低刺激なケア用品を使う

ニキビができている状態の肌に、添加物が多く含まれているような刺激の強いケア用品を使うと、ニキビを悪化させてしまうことがあります。

例えば、肌に必要な皮脂や常在菌まで取り去る可能性がある合成界面活性剤や防腐剤、皮膚炎を起こす可能性がある合成香料などが含まれているものは避けるようにして、無添加で低刺激のものを使うのがおすすめです。

ただし、肌に優しい低刺激なケア用品を使ったとしても、ゴシゴシと擦る、強く刷り込むといった肌に負担をかけてしまうようなやり方はNGです。

ケア用品と一緒にお手入れ方法も見直してみましょう。

外的刺激はできるだけ避ける

首・デコルテにニキビができてしまったら、アクセサリーの着用は控え、髪の毛は患部に触れないように束ねるなど、外的刺激をできるだけ避けるようにしましょう。

肌への刺激が少ない天然素材の衣服を着るのもおすすめです。

炎症を起こしている場合は皮膚科を受診

首・デコルテに白くてプツプツとしたニキビができ、痛みやかゆみがない場合には、ここまでで紹介したケア方法を続けることで、自然と治るケースが多いです。

しかし、ニキビが赤く炎症を起こしていたり、痛みやかゆみがあったりする場合には、それが刺激となって色素沈着が起こり、ニキビ跡が残ってしまう可能性があります。

また、ニキビではなくカビが原因の「マラセチア毛包炎」など違う皮膚疾患の場合もあるので、悪化する前に早めに皮膚科を受診したほうが良いでしょう。

皮膚科を受診すると、主に次のような治療が受けられます。

外用薬・内服薬

皮膚科では、ニキビの状態に合った外用薬(塗り薬)や、炎症が進行している場合には内服薬を処方してもらえることが多いです。

例えば、塗り薬としては、毛穴の詰まり解消の効果がある「アダパレン」が処方されることが一般的です。

内服薬には、アクネ菌の増殖を抑える効果が期待できる「ルリッド(ロキシスロマイシン)」などがあります

面ぽう圧出手術

面ぽう圧出手術とは、針でニキビに穴を開けて毛穴にたまった皮脂を押し出す施術です。

穴を空ける方法は、清潔な細い針を使用する場合と、レーザーを用いる場合の2種類があります。

医療機関で行う面ぽう圧出術は、非常に小さな穴を空けて皮脂を絞り出すので、皮膚の傷や肌へのダメージが小さくて済みます。

しかし、自身で行うと「ニキビを潰した」状態となってしまい、ニキビ跡になったり、指から雑菌が入り込んで化膿したりする恐れがあるので、必ず医療機関で受けるようにしましょう。

ケミカルピーリング

ケミカルピーリングとは、肌に薬剤を塗って古い角質や皮脂を取り除き、ターンオーバーを正常に戻す治療方法です。

使用される薬剤はさまざまで、肌の状態に合うものを選んでもらえる皮膚科もあります。

なかでも、ニキビ治療によく使用されるのが、グリコール酸という薬剤です。

グリコール酸は、皮膚への浸透性が高いほか、比較的マイルドな薬剤で日本人の肌と相性が良いと言われています。

光線治療

光線治療とは、特殊な光を患部に当ててアクネ菌を殺菌するニキビの治療方法です。

殺菌以外にも、ニキビ跡や色素沈着、くすみなどに効果的なものや、余分な皮脂を除去することができるものもあります。

ケミカルピーリングや外用薬・内服薬と組み合わせて治療すると、より早い治癒が見込めるでしょう。

首・デコルテのニキビは治ったと思ってもまたできる!毎日のケアが重要

首・デコルテのニキビは治ったと思ってもまたできる!毎日のケアが重要

首・デコルテにニキビができてしまった場合、白いブツブツなど軽度であれば、まずは患部を清潔にし、適切なケアをすることが大切です。

一方、ニキビが炎症を起こし痛みやかゆみがある場合は、早めに皮膚科を受診して適切な治療を受けることをおすすめします。

ニキビは適切なケアや皮膚科で治療しても、再びできる可能性があります。

ニキビができる原因を知るとともに、肌に優しい低刺激なケア用品による毎日のお手入れを継続して、きれいで美しい首・デコルテを維持しましょう。

監修者

藤堂沙織先生

Alohaさおり自由が丘クリニック
院長 藤堂 紗織
https://aloha-saori-jiyugaoka-cl.jp/

<経歴>
平成15年 日本医科大学 卒業
平成16年 日本医科大学附属武蔵小杉病院 研修医/内科 専修医
平成21年~31年 善仁会丸子クリニック 院長勤務
令和元年5月~ Alohaさおり自由が丘クリニック 院長

<資格>
・日本内科学会認定内科医

<所属学会>
・日本透析医学会、日本腎臓学会
・点滴療法研究会
・日本美容皮膚科学会

 

 - 首・デコルテ ,

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