【医師監修】美容成分にはどんな種類がある?主な成分を一覧で解説
美容成分のなかでも、「コラーゲン」や「セラミド」といった名前は聞きなじみがあるかもしれません。
しかし、一般的に知られているものはほんの一部で、まだまだたくさんの美容成分が存在します。
この記事では、「美白」「保湿」「肌荒れ対策」といった3つのジャンルに分けて、主な美容成分の種類とそれぞれの働きについて解説します。
目次
美白ケアに役立つ美容成分一覧
まずは、美白ケアに役立つ美容成分を一覧で見ていきましょう。
美白に有効な成分には、シミ・そばかすを防ぐ作用、くすみや黒ずみの原因となるメラニンの生成を抑える作用などがあります。
トラネキサム酸
トラネキサム酸とは、人工合成されたアミノ酸の一種で、たんぱく質を構成する成分である必須アミノ酸リシンをもとに作られています。
炎症を引き起こす体内の酵素のプラスミンを抑制する作用を持ち、シミやくすみの原因となるメラニンの生成を抑える効果や、肌荒れの改善などが期待できます。
ビタミンC誘導体
ビタミンC誘導体とは、ビタミンCを改良して角質層への透過性を高めた美容成分です。
メラニンの過剰生成を抑えて、肌の細胞が生まれ変わる仕組みであるターンオーバーを促す働きを持つため、色素沈着を防ぎ、肌の状態を整える効果や美白効果が期待できます。
また、ビタミンC誘導体には、皮脂の過剰分泌を防ぐ皮脂抑制作用や、肌の炎症を引き起こす活性酸素を除去する抗酸化作用もあります。
コラーゲンの生成を促進する働きもあるため、肌のハリや弾力を与えるエイジングケアにもつながるでしょう。
ハイドロキノン
ハイドロキノンは、高い美白効果を持つ美容成分で、「肌の漂白剤」とも呼ばれています。
シミの原因となるメラニン色素の産生を阻害する働きがあるため、美白ケアに有効です。
また、ハイドロキノンはメラニン色素を淡色化する還元作用も持っているため、できてしまったシミを薄くしたいときにも役立ちます。
アルブチン
アルブチンは、サンタベリーや梨、コケモモなどのフルーツや植物に含まれている美白成分です。
先ほど紹介したハイドロキノンにブドウ糖が結合したものでもあります。
アルブチンは、メラニンを作り出す色素細胞(メラノサイト)が持っている酵素「チロシナーゼ」に直接作用し、シミやそばかすの原因となるメラニンの生成を抑制してくれます。
また、利尿作用や尿路殺菌効果にも優れており、泌尿器系の感染症の治療に使用されることもあります。
セラミド
セラミドは、もともとは健康的な肌の角質層に存在する成分で、角質細胞同士の隙間を満たして細胞と水分をつなぎとめています。
角質層がセラミドで十分に満たされていれば、外的刺激から肌を守るバリア機能の働きを高く保つことが可能です。
さらに、メラニンの合成を抑え、シミやそばかすを防ぐ美白効果も期待できます。
また、保湿力に優れているため、肌の潤いを長時間保ち、乾燥による肌荒れや小ジワなどの肌トラブルの予防に役立ちます。
保湿ケアに役立つ美容成分一覧
続いては、保湿ケアに役立つ美容成分を一覧で紹介します。
保湿に有効な成分には、肌に潤いや弾力を与える作用、水分保持力を高める作用などがあります。
コラーゲン
コラーゲンは、アミノ酸の結合によって作られるたんぱく質の一種です。
体内のたんぱく質の約30%がコラーゲンで、そのうちの40%が皮膚に存在しています。
皮膚は外側から、表皮・真皮・皮下組織の3つが層になってできていますが、なかでも一番層が厚い「真皮」に網目状に構成され、肌のハリや弾力を維持する役割を持ちます。
また、美容成分としてスキンケアアイテムに用いられる場合は、保湿成分として肌の表面にとどまり、水分保持力を高めてくれるものが多いです。
ヒアルロン酸
ヒアルロン酸は、もともと体内に存在している保湿成分の一つで、水分を保持する力を持っています。
通常、スキンケアアイテムにはヒアルロン酸ナトリウムとして配合されており、角質層の水分を保つのが主な働きです。
また、肌なじみが良く、角質層の水分量を高めながら、肌表面にしっとり感のある保護膜を作ってくれます。
アスタキサンチン
アスタキサンチンは、活性酸素を除去する強い抗酸化作用を持っている美容成分として、エイジングケアに用いられることが多いです。
加えて、肌のキメを整え、乾燥した肌に潤いを与える保湿効果も期待できます。
また、アスタキサンチンにはコラーゲンの生成を助ける作用もあり、肌のハリや弾力、水分保持力の向上にも役立ちます。
ナイアシンアミド
ナイアシンアミドは、ビタミンB群の一つで、細胞の代謝をサポートする働きがあります。
表皮の上層部でセラミドの合成を促すため、水分保持能力とバリア機能を高めることが可能です。
また、ナイアシンアミドは代表的なエイジングケア成分としても知られており、コラーゲンの生成を促進し、肌にハリや弾力を与えるので、たるみやシワの改善効果も期待できます。
レチノール
レチノールはビタミンAの一種で、ターンオーバーを促す作用があります。
また、角質を溶かして除去するピーリング作用や、皮脂の分泌量を抑える働きがあり、ニキビや肌荒れ、くすみや黒ずみができにくい肌に導いてくれます。
また、レチノールにもコラーゲンの生成を促進する作用があり、たるみやシワ改善効果も期待できます。
ただし、レチノールによってターンオーバーが促進されると、一時的に肌が乾燥しやすくなり、赤みやかゆみが出る場合があります。
あくまでも一時的なものなので、次第に症状は治まっていきますが、敏感肌の方は注意したほうが良いかもしれません。
ライスパワーNo.11
ライスパワーNo.11は、お米から生まれた美容成分で、皮膚の水分保持力を改善する作用があります。
肌の潤いを保つセラミドの生成を内側からサポートしてくれるので、本来肌が持つ水分保持力を高め、乾燥によって生じるさまざまな肌トラブルを防ぐ効果が期待できます。
肌荒れ対策に役立つ美容成分一覧
続いては、肌荒れ対策に役立つ美容成分を一覧で紹介します。
肌荒れ対策に有効な成分には、整肌作用、抗炎症作用、ターンオーバーを整える作用などがあります。
グリチルリチン酸2K
グリチルリチン酸2Kは、かゆみや炎症を抑える作用があり、肌荒れを防ぐ働きがある美容成分です。
ニキビや肌荒れの症状を緩和する目的としてスキンケアアイテムに取り入れられるほか、肌に優しい成分でもあるため、外部刺激に弱い敏感肌用のスキンケアアイテムにも配合されています。
サリチル酸
サリチル酸には古い角質の軟化溶解作用があり、ピーリングの薬剤として使用される美容成分です。
古い角質を除去することでターンオーバーを促進し、正常に戻す効果が期待できます。
また、古い角質と一緒に蓄積されたメラニンを排出することで、黒ずみやニキビ跡、色素沈着によるシミの改善に役立ちます。
アラントイン
アラントインには、炎症を抑える作用や皮膚を保護する作用があります。
皮膚の細胞の修復を促し、傷の治りを早くする効果もあるため、肌荒れの改善にも効果的です。
さらに、刺激やアレルギーから皮膚を守る働きもあるため、敏感肌向けのスキンケアアイテムやベビーパウダーなどにも配合されています。
プラセンタ
プラセンタには炎症を抑える作用、皮膚の細胞を修復する作用があり、肌荒れ対策やニキビ肌の改善に役立つ美容成分です。
また、過剰な活性酸素の発生を抑制する抗酸化作用も持っており、肌のくすみの改善やエイジングケアにも効果が期待されています。
美容に役立つ成分を知ってスキンケアに活用しよう
今回は、全部で17種類の美容成分を紹介していきました。
美容に役立つ成分の名前や特徴を覚えておくことで、自分の肌悩みに合ったスキンケアアイテムが見つかるでしょう。
スキンケアアイテムを購入する際は、ぜひ美容成分やその効果に注目して選んでみてください。
監修者 Alohaさおり自由が丘クリニック <経歴> <資格> <所属学会> |
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