【医師監修】保湿ケアの基本を知ろう!ケア用品の種類と選び方、正しいお手入れの方法を解説
2022/12/02
毎日スキンケアを行っていても、肌につっぱりや乾燥を感じてしまうことはありませんか?
自分ではきちんとお手入れをしているつもりでも、肌の保湿力を維持するための適切なスキンケアができていないケースは意外と多いものです。
また、もともと乾燥肌で悩んでいる方も、保湿ケアの基本や正しい手順を知ることで改善が期待できるかもしれません。
この記事では、化粧水や乳液など保湿ケアアイテムの種類と選び方、正しいお手入れの方法について解説します。
目次
保湿ケアとは?
保湿ケアとは、肌が本来持っている「自ら潤う力」を活用して肌環境を整えることです。
保湿と聞くと単に化粧水で肌に水分を与えたり、クリームなどを塗ったりすれば良いと思われがちですが、肌の水分量は時間とともに蒸発してしまい、潤いは一時的なものになります。
肌の潤いを保ちやすくするには、皮膚表面にある角質層のバリア機能が正しく働くようにすることが大切です。
人間の肌は大きく分けて表皮・真皮・皮下組織の3層構造となっており、最表面の表皮には角質層があります。
角質層には、細胞同士を密着させる「細胞間脂質」、皮膚の潤いを保つ「天然保湿因子(NMF)」、水分の蒸発を防ぐ「皮脂膜」が存在し、それぞれがバランス良く整うことでバリア機能が正しく働くという仕組みです。
そのため、一時的に水分を補うのではなく丁寧な保湿ケアを行って角質層の環境を整え、肌に本来備わったバリア機能をサポートすることで、自らの力で潤う健康な肌環境に近付けられるでしょう。
保湿ケアをしないとどうなる?
保湿ケアをしなくても、肌に本来備わったバリア機能が正常に働いていれば皮膚は自らの力で潤うことができます。
しかし、肌の水分量は加齢とともに少しずつ低下していきます。
特に30代を過ぎると、肌に水分を蓄える性質があるヒアルロン酸、肌のハリや弾力を維持するコラーゲンやエラスチンが減少するため、保湿ケアをまったくしないと肌の水分量がどんどん低下して乾燥を引き起こす可能性があるのです。
また、肌の水分量が低下すると角質層の環境が乱れてしまい、バリア機能が正常に働かなくなってしまいます。
皮膚を守るバリア機能が正常でないと、空気の乾燥や紫外線、下着や衣服の摩擦などさまざまな外的刺激からダメージをより受けやすく、次のような肌トラブルを引き起こします。
・乾燥肌(肌表面がカサカサする、粉ふき、皮むけなど)
・敏感肌(刺激に対して過敏になる)
・肌荒れ(かゆみや痛み、赤み)
ほかにも、バリア機能の低下は、肌細胞の代謝機能であるターンオーバーのサイクルが乱れる原因にもなります。
ターンオーバーのサイクルが乱れると、皮脂や古い角質、メラニンなど、本来であれば排出されるものが肌の表面に残り、次第に厚く蓄積されていきます。
すると、肌の表面にザラつきやゴワつきを感じるようになり、毛穴詰まりによるニキビやメラニンの色素沈着によるくすみ、黒ずみといった肌悩みが起きやすくなるのです。
このような肌トラブル・肌悩みを防ぐためにも、毎日のスキンケアでしっかりと保湿してあげることが大切です。
保湿ケア用品の種類と選び方
ここからは、主な保湿ケア用品である化粧水と乳液、保湿クリームの違いや、それぞれの選び方を紹介します。
化粧水
化粧水は、角質層に水分や水溶性の美容成分を補給し、潤いを与える保湿ケア用品です。
乾燥肌はヒアルロン酸やコラーゲンといった保湿成分、ニキビ肌には抗炎症作用があるグリチルリチン酸2Kや殺菌効果が期待できるサリチル酸、イソプロピルメチルフェノールなどが配合されたものがおすすめです。
エイジングケアを目的とする場合は、肌のハリを促進するレチノールや、シミやくすみに働きかけるビタミンC誘導体、ナイアシンアミドなどが含まれた化粧水が適しています。
一方で、エタノールやメントールが配合された化粧水は、さっぱりとした使い心地で肌を引き締める効果が期待できますが、肌への刺激が強いため特に敏感肌の方は避けた方が良いでしょう。
乳液
乳液は、水分と油分がバランス良く配合されていることで皮膚の水分が蒸発するのを防ぎ、潤いや美容成分を肌にしっかりと閉じ込める役割を持っているスキンケア用品です。
配合されている水分と油分の割合によって使用感やテクスチャーが異なるので、自分の肌質に合ったものを選ぶと良いでしょう。
例えば乾燥肌の方には、ワセリンやシア脂などのオイル成分が含まれた少し硬めのテクスチャーのものが適しています。
顔の水分や皮脂の分泌が多い脂性肌の方はサラッとしたジェルやローションタイプ、部分的に乾燥とテカリが生じる混合肌の方には、しっかりした使い心地のミルクタイプがおすすめです。
そのほか、シミやくすみが気になる場合はメラニンの生成を抑制するコウジ酸や、メラニンの排出を促す4MSKなどの美白有効成分が配合された乳液が良いでしょう。
関連記事:化粧水と乳液、美容液の違いは?それぞれの役割、スキンケアの順番を解説
保湿クリーム
保湿クリームは、乳液と同様に水分や美容成分を肌に閉じ込める蓋の役割を担っていますが、乳液よりも油分の配合量が多いため、やや硬めのテクスチャーなのが特徴です。
乳液の代わりとして使えるのはもちろん、乳液と併用することでよりしっかりと蓋をして浸透力を高めることができます。
保湿クリームは、肌の状態や使用する部位によって違うテクスチャーのものを使い分けると良いでしょう。
例えば、油分が多く硬めのものは特に保湿力に優れているので、乾燥しやすい口元や目元、体ではヒジやヒザ、かかとなど部分的なケアに適しています。
顔や体の広範囲に塗りたいときや、ニキビやザラつきがある肌に使用するときは、柔らかく伸びが良いものを使うことで肌への摩擦を軽減しながらケアが可能です。
また、炎症を抑えるグリチルリチン酸2Kやトラネキサム酸などが配合された保湿クリームもあり、ニキビの改善に期待できるほか、普段から継続して使用することで肌トラブルが防ぎやすくなるでしょう。
関連記事:スキンケアのクリームの選び方、保湿・美白ケアに役立つおすすめ商品を紹介
保湿ケアの正しいやり方とタイミング
ここからは、正しい保湿ケアのやり方とタイミングを紹介します。
保湿ケアの手順
保湿ケアを行うときは、次のように水分の多いスキンケア用品から使用して、油分の多いもので肌に蓋をするのが基本の順番です。
- 化粧水
- 乳液
- 保湿クリーム
また、保湿ケアに美容液やフェイスマスクを取り入れるときは、化粧水と乳液の間に使うようにしましょう。
体の場合も、顔と同様に水分の多いスキンケア用品から使用し、最後に油分の多いものを使います。
- ボディローション
- ボディクリーム
体用の美容液を使う場合は、ボディローションを塗った後に使い、肌になじんでからボディクリームで蓋をしましょう。
関連記事:【医師監修】スキンケアは正しいやり方で!基本のアイテムと使う順番・手順を解説
保湿ケアのタイミング
洗顔や入浴後の肌は、皮脂膜や天然保湿因子などが流れ落ち、水分が蒸発しやすい状態です。
水に濡れることで一時的には潤うものの、その後時間が空いてしまうと肌の水分がどんどん逃げていってしまうため、10分以内を目安にできるだけ早く保湿しましょう。
保湿ケアの注意点
保湿ケアは、肌を優しくいたわることを意識して行ってください。
例えば、コットンや手でゴシゴシと力を入れて擦る行為は、肌への刺激となり、しっかりと保湿をしているつもりでもバリア機能を低下させてしまいます。
保湿ケアに限らず、クレンジングや洗顔料、ボディソープを使用するときも、肌を擦らないように心がけましょう。
また、顔や体を洗うときには洗顔料やボディソープをしっかりと泡立て、泡をクッションにすることで手が肌に直接触れないようにするのがポイントです。
肌にとって刺激の強いアルコールやパラベン、合成香料や着色料などが含まれたスキンケア用品の使用は避け、無添加など肌への刺激が少ないものを選ぶようにしましょう。
保湿ケアは正しい方法で!肌の潤いを維持しよう
保湿ケアを通して、角質層の環境を整えることで、肌に本来備わったバリア機能を正常に保ち、肌が自ら潤う力をサポートすることが大切です。
潤いある肌を維持するためにも、今回紹介した内容を参考に正しいスキンケアの手順やタイミング、ケア用品の選び方を理解して、適切にお手入れしましょう。
監修者 クリスタル医科歯科クリニックインターナショナル <経歴> <資格・所属学会> |
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