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【医師監修】保湿成分の主な種類と働き、正しいケア方法を解説

   

【医師監修】保湿成分の主な種類と働き、正しいケア方法を解説

しっとりと潤いが保たれた肌を実現するために欠かせないのが、保湿成分です。

保湿成分にはどのようなものがあるのか、どのような手順でケアするのかなどを覚えておけば、日頃のスキンケアがより効果的なものになるかもしれません。

この記事では、保湿成分の主な種類と働き、正しいスキンケア方法を解説します。

保湿成分の種類と働き

保湿成分の種類と働き

私たちが普段何気なく使っているスキンケア用品には、水分や美容成分の蒸発を防ぎ、肌に潤いを与える保湿成分が含まれています。

保湿成分は主に、水分に溶けやすい「水溶性保湿成分(モイスチャライザー)」と、油分に溶けやすい「油溶性保湿成分(エモリエント)」の2種類に分類されていて、それぞれ特徴や働きが異なります。

まずは、保湿成分の主な種類と働きを知って、アイテム選びに役立てましょう。

水溶性の保湿成分(モイスチャライザー)

水溶性の保湿成分(モイスチャライザー)は、肌に水分を与える「吸着性」の働きを持つものと、肌に水分を抱え込む「保湿性」の働きを持つものに分けられます。

吸着性の保湿成分は、人間の肌の真皮にもともと存在する「天然保湿因子(NMF)」によく似た働きがあり、水分を引き寄せて潤いを与えるのが特徴です。

保湿性の保湿成分は、引き寄せた水分をしっかりと抱え込み、蒸発を防ぐことで水分保持力を高めます。

種類 成分名
吸着性の働きを持つ水溶性保湿成分 ・グリセリン
・アミノ酸
・尿素
・ベタイン
・ヘパリン類似物質
・BG
保湿性の働きを持つ水溶性保湿成分 ・コラーゲン
・ヒアルロン酸
・エラスチン
・プロテオグリカン
・トレハロース

油溶性の保湿成分(エモリエント)

油溶性の保湿成分(エモリエント)は、皮脂膜を補強して皮膚(角質層)を柔らかくし、肌に水分を閉じ込めて蒸発を抑える働きがあります。

人間の肌の真皮にもともと存在する「皮脂膜」に似た働きがあり、肌の表面に蓋をして水分の蒸発を防ぎ、浸透力を高めてくれるのです。

油溶性の保湿成分には水分そのものを保持する力はありませんが、皮脂膜のように皮膚にオイルの膜を張って潤いを逃がしにくくしてくれます。

そうすることで角質層の水分と油分のバランスが整えられ、肌に本来備わっているバリア機能を正常に働かせる効果が期待できるでしょう。

油溶性の保湿成分は、次のような成分が挙げられます。

種類 成分名
油溶性の保湿成分 ・セラミド
・コレステロール
・シアバター
・アルガンオイル
・スクワラン
・馬油
・ワセリン
・ホホバオイル


スキンケア用品に含まれる保湿成分の割合と種類

スキンケア用品に含まれる保湿成分の割合と種類

肌を保湿するためのスキンケア用品には、化粧水・乳液・美容液・保湿クリームなどがあります。

これらのスキンケア用品には、水溶性成分(モイスチャライザー)と油溶性成分(エモリエント)どちらの保湿成分も含まれていますが、それぞれ配合の割合が異なります。

ここからは、主なスキンケア用品に含まれる保湿成分の割合と種類を紹介します。

化粧水

化粧水は、肌に水分を補給して潤いを与えるほか、硬くなった角質を柔らかくして肌を滑らかに整えるスキンケア用品です。

そんな化粧水は、8割以上が水分で作られています。

油溶性成分をわずかに含むものもありますが、80~90%が水分で、残りがグリセリンやヒアルロン酸などの水溶性保湿成分という割合で配合されたものが一般的です。

ただし、ほとんどが水溶性成分でできた化粧水は、それだけで潤いを保つことはできません。

使った直後は肌が潤いますが、化粧水が蒸発すると肌の水分も一緒に奪われてしまうため、乳液やクリームなどを併用した保湿ケアが大切です。

また、化粧水のなかにはエタノールやメントールなどのアルコール、クエン酸やサリチル酸といった酸の成分が配合されたものもあります。

これらは肌表面の汚れや古い角質の除去、毛穴の引き締めなどに有効ですが、乾燥肌や敏感肌の方、肌の調子が悪いときには赤みやヒリつきが出やすいので注意しましょう。

乳液

乳液は、水溶性保湿成分と油溶性保湿成分がバランス良く配合されており、化粧水や美容液で与えた潤いが蒸発するのを防いで水分保持力を高めるケア用品です。

保湿クリームに比べて水分が多く含まれており、化粧水にとろみを加えたような柔らかいテクスチャーで角質層まで浸透しやすいのが特徴です。

乾燥しやすい方は、保湿成分のなかでも保水性が高いヒアルロン酸や肌の弾力を作るコラーゲンなどが配合されているかをチェックすると良いでしょう。

また、肌がベタつきやすい脂性肌は乳液が必要ないように見えますが、バリア機能の低下によって乾燥を起こし、皮脂が過剰分泌されている場合もあるため、乳液を使って保湿することが大切です。

さらに、脂性肌は毛穴に皮脂が詰まってニキビができやすい傾向にあるため、皮脂分泌を整えるビタミンB2や殺菌効果があるイソプロピルメチルフェノール、炎症を抑えるグリチルリチン酸2Kなどが含まれたものが適しています。

関連記事:【医師監修】ニキビができた肌におすすめのスキンケア方法、悪化させない対処法を解説 

関連記事:化粧水と乳液、美容液の違いは?それぞれの役割、スキンケアの順番を解説

美容液

美容液は、油溶性保湿成分とやや多めの水溶性保湿成分、特定の肌悩みに働きかける美容成分が濃縮して配合されたアイテムです。

美容液には、浸透力が高いサラッとしたタイプや肌なじみの良いオイルタイプ、みずみずしいジェルタイプ、とろりとした滑らかなミルクタイプなどさまざまなテクスチャーがあります。

乾燥肌の方は、ワセリンやホホバオイル、馬油といった油溶性保湿成分がメインのオイルタイプや、しっかりとした使い心地のミルクタイプなどがおすすめです。

ニキビ肌や全体的にベタつきを感じる脂性肌の場合、皮脂分泌の抑制を期待できるビタミンC誘導体を含み、サラリとした使用感のものが適しています。

部分的にテカリとカサつきがある混合肌は、ビタミンC誘導体に加え、セラミドやヒアルロン酸など油溶性と水溶性の保湿成分がバランス良く配合されたもののほか、乾燥肌用と脂性肌用の美容液を部分ごとに使い分けるのも良いでしょう。

関連記事:美容液とは?役割や使い方、ほかのスキンケア用品との違いを解説

保湿クリーム

保湿クリームは、乳液と同じように潤いを閉じ込める役割を持つアイテムですが、乳液に比べて油溶性保湿成分が多く配合されており、こってりとした使用感が特徴です。

しっかりめのテクスチャーによって、角質層にしっかり蓋をして水分の蒸発をより防ぎやすくしてくれるので、特に乾燥肌の方は乳液と保湿クリームの両方を使うと良いでしょう。

保湿クリームのなかでも、水溶性のグリセリンやBGが多く含まれたものは滑らかで軽いつけ心地、スクワランやホホバオイルなど油溶性の成分が多いものはより硬めのテクスチャーになります。

さらに、ターンオーバーを促進するレチノールが含まれたものはアンチエイジングに、抗炎症作用やメラニンの生成を抑える働きがあるトラネキサム酸が配合されたものは、肌の鎮静ケアのほか美白効果も期待できるでしょう。

関連記事:スキンケアのクリームの選び方、保湿・美白ケアに役立つおすすめ商品を紹介

関連記事:【医師監修】保湿ケアの基本を知ろう!ケア用品の種類と選び方、正しいお手入れの仕方を解説

保湿成分を効果的に取り入れるための順番とタイミング

保湿成分を効果的に取り入れるための順番とタイミング

保湿成分を効果的に取り入れるためには、先ほど紹介したスキンケア用品を使う順番、タイミングも一緒に覚えておきましょう。

スキンケア用品を使用する順番は、次の通りです。

  1. 化粧水
  2. 美容液
  3. 乳液
  4. 保湿クリーム

保湿ケアの順番は、基本的に水溶性保湿成分の多いものが先、油溶性保湿成分の多いものが後です。

先に乳液や保湿クリームを使用してしまうと、油分によって肌の表面に蓋がされてしまい、化粧水や美容液の美容成分が角質層に浸透しにくくなってしまいます。

また、スペシャルケアとしてフェイスマスクを取り入れる場合は、水溶性保湿成分が多いものなら化粧水と美容液の間に使うのが適切です。

油溶性保湿成分が多めに配合されたものであれば、化粧水と美容液を塗った後に使いましょう。

関連記事:【医師監修】スキンケアは正しいやり方で!基本のアイテムと使う順番・手順を解説

保湿成分の種類と働きを知ってスキンケアに役立てよう

保湿成分の種類と働きを知ってスキンケアに役立てよう

普段何気なく使用しているスキンケア用品には、さまざまな保湿成分が配合されています。

保湿成分は、主に水溶性保湿成分(モイスチャライザー)と、油溶性保湿成分(エモリエント)の2種類に分類され、その割合によって使用感や使う順番も変わってきます。

今回紹介した内容を参考に、保湿成分の種類と働きを理解して、ぜひ毎日のスキンケアに役立ててみてください。

監修者

中島由美先生

クリスタル医科歯科クリニックインターナショナル
内科院長 中島 由美
https://www.cdc-intl.com/

<経歴>
・ニューヨーク州バッファロー市生まれ
・金沢医科大学 医学部 卒
・金沢医科大学病院にて小児科・内科研修
・大阪・神戸・東京・福岡の病院で内科と皮膚科を担当
・2018年8月クリスタル医科歯科クリニック内に内科、美容皮膚科、アレルギー科を開設

資格・所属学会
・日本内科学会認定内科医
・日本医師会認定産業医
・抗加齢医学会専門医

 - 乾燥肌 ,

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